妊娠初期の運動や体調変化についてのQ&A

お答えくださった先生:聖路加国際大学ウイメンズヘルス 助産学 堀内成子特命教授


妊娠初期の運動は、どのていどならOKですか?

A. 私は現在妊娠8週目なのですが、運動については控えるようにと医師に言われました。
 どの程度の運動までしていいものか迷っています。
 現在週1回1時間のゴルフスクールに通っているのですが、もう少し続けても大丈夫でしょうか。教えてください。


Q. 胎盤が完成する時期は、妊娠16週頃と言われています。
  この時期までは、胎児が子宮にしっかりとくっついていないので、激しい運動は避けた方がいいでしょう。
  胎盤が完成して安定期に入ったら、それまで行っていたスポーツであるなら、様子をみながら行うことはいいでしょう。



妊娠初期なら、自転車に乗っても大丈夫ですか?

A. もうすぐ3歳になる娘がいます。そろそろ二人目をと思っているのですが、気になっていることがあります。
 それは、一人目の時は駅に近かったこともあり自転車に乗る機会がほとんどなかったのですが、現在は駅に遠く、子供もいるため、買い物には自転車が欠かせません。
  妊娠初期なら、自転車に乗っても大丈夫でしょうか。


Q. 自転車に乗ることは、むしろ初期の方が避けた方がいいでしょう。
  自転車に乗ったときの振動と転倒(転ぶこと)が、まだ胎盤の完成していない5ヶ月までは注意が必要だからです。
  それ以降の妊娠の安定期には、気をつけて乗ってください。
 
    自転車は、車社会においては、じゃまにされることも多く、道路も狭くなっています。
  くれぐれも、気をつけて乗るようにしてください。

  また、こどもを前や後ろに乗せるときは、安定した専用の椅子を取り付けましょう。
  また、こどもを乗せたまま自転車を放置することはやめましょう。転倒しやすく、とても危険です。



妊娠中に山道をドライブ。赤ちゃんの脳の発達に影響はないのですか?

A. 妊娠5ヶ月に入ったばかりの時に友達の車で旅行をしたのですが、車のサスペンションが硬く その上山道だったので激しい揺れが3?4時間くらい往復続きました。
 「ゆさぶりっこ症候群」とかある中、お腹の赤ちゃんの脳発達とかには影響はないんでしょうか?

Q. 「ゆさぶりっこ症候群」は、生まれたばかりの新生児に対して、大人が大きく揺さぶったり、「高い」「高い」をすると起こることです。
   ドライブの振動では起こりません。

   ただし、妊娠中にドライブをするときには、途中、十分休みをとりながら進んでください。
   無理は禁物です。
   その後に、疲れすぎて、おなかが張ったりする事のないように計画してください。



妊娠中、体がだるくなるのは当然のことなのですか?

A. 妊娠中、体がだるくなったりするのは当然のことなのですか?
 また、妊娠中、特に食べ物などで注意することはありますか?


Q. 妊娠の初期は、体がだるくなったり、また、眠気を非常に強く感じます。
  これは、ホルモンが、急激に変化しているためです。
  妊娠の中期になると、だるさは少し改善されます。

 食べ物では、基本的に食べて悪いものはありません。
 しかし、以下のものは避けましょう。
  ・カラシやワサビなどの刺激の強いもの
  ・アルコールやカフェインの多いもの
 
   また、塩分は控えめにしましょう。
 要は、バランスのとれた食事、偏らないものが良いですね。



もしかしたら妊娠…そんなとき歯医者さんに行っても大丈夫?

Q. 27歳の妊娠を望む主婦です。こどもがそろそろ欲しいと思い、基礎体温をつけています。
  排卵日に性交をして、二日後に急に歯が痛くなってしまいました。
  まだ、妊娠をした確信も何もないのですが、歯医者に通っても大丈夫ですか?
  麻酔やレントゲンは、影響ありませんか?

A.  歯科受診をして治療することは大切です。
     ただし受診時に妊娠の可能性があることを、はっきりと伝えてください。
  
     歯科でのレントゲンも、妊婦にとっては避けた方がよいです。
   妊娠は、「確信がない」という時期が、実は一番、赤ちゃんにとっては大切なので
す。