「やさしい社会づくりのために」聖路加国際大学 学長・教授 堀内成子先生
「社会の文化の変容をとらえたBABY in MEマーク」小児科医 白木和夫先生
「お母さんが嬉しいと、赤ちゃんも嬉しい」ファン助産院 杉山富士子先生
「ちょっとした気づかいで、妊婦さんの負担も少なく」福田病院 産科 杉本千里先生
やさしい社会づくりのために
聖路加国際大学 学長・特命教授 一般財団法人 日本助産評価機構 理事長
堀内成子先生
子どもを産み育てる人々にやさしい社会をつくりたいと考え、この活動を支援しています。
やさしい社会づくりのために、みなさんも ご協力お願いします。
社会の文化の変容をとらえたBABY in MEマーク
小児科医、鳥取大学名誉教授(元-付属病院長)、聖路加国際大学名誉教授
白木和夫先生
「BABY in ME」マークが初めて作られたのは1999年だそうですが、この時期の我が国の文化を考えると画期的なものだったと思います。(中略)
それまでの日本では普通の市民が個人としての意見を広く社会に向かって発信したり、自分自身の事情や思いを社会に広く伝えることは、それほど普通ではありませんでした。ですから妊娠したとしても、1999年頃ではその事実をTシャツの胸にあからさまにつけて街を歩くことは普通の感覚では考えられなかったことでしょう。(中略)1999年という、まだ人々が妊娠していることを自分からは広く公言しにくかった時代に造られた「BABY in ME」マークは、その時期から抵抗なく受け入れられ今日まで広まってきました。
7年後の2006年に厚生労働省「健やか親子21」はマタニティーマークを公募、発表し、その後、各方面からいくつかのマタニティーマークが発表されていますが、初めに一人のフリーライターによって造られた「BABY in ME」の可愛さ、さり気なさは多くのファンをつかんでいるようです。
お母さんが嬉しいと、赤ちゃんも嬉しい
ファン助産院 杉山富士子先生(杉並区)2000年談
妊娠中のお母さんは、精神的にもとてもデリケートになっています。
電車の中で席を譲られたとか、そういうささいな出来事があっただけでも、一日中、幸せな気分で過ごせたりするんです。
お母さんが幸せな気持ちになれば、それはお腹の赤ちゃんにも伝わります。
お母さんが嬉しいと、赤ちゃんも嬉しい。
そういう嬉しい気持ちが積み重なって、お母さんも前向きになれるし、赤ちゃんも健やかに育っていくのだと思います。
その意味からも、BABY in MEが、みなさんの温かい思いやりの気持ちを引き出すきっかけになるといいですね。
福田病院 産科 杉本千里先生(熊本市)1999年談
妊娠は、やはり始めの頃が大事ですね。
赤ちゃんの手や足が形づくられる時期ですから。
お母さんの体調不良が、胎児に影響することもあります。
特別安静にすることはないんですが、それなりの心配りは必要と言えるでしょう。
具合が悪くなったら、ちょっと休むとかですね。
近くにいる人も、妊婦さんを見かけたらタバコを遠慮してあげるとか。そういうちょっとした気づかいがあれば、妊婦さんの負担もかなり少なくなると思いますよ。
確かに妊娠初期では、その方が妊娠しているかどうか周りからは見分けがつきません。
BABY in MEは、良い目印になるんじゃないでしょうか。